交通事故で最も多いタイプの怪我に「むち打ち症」があります。そしてその程度はとても幅広いので、後遺障害の認定で揉めることも少なくありません。
被害者に知識がないと、保険会社の言うがままに軽く認定されてしまう可能性も。むち打ち症の後遺障害の認定は12級と14級がありますが、今回は12級認定についてまとめました。
※14級については次回お話します。
後悔先に立たず。
むち打ち症について簡単におさらいしましょう
むち打ち症という言葉は俗称で、医学的には「外傷性頸部症候群」「頸椎捻挫」など、その原因や症状で様々に分類されています。
身体が固定された状態で強い衝撃を受けると、不安定な頭部が振り回される形になり、主に頸椎に負荷がかかって様々な症状が発生することでむち打ち症となり、これが原因で椎間板ヘルニアになってしまうこともあります。
なお、むち打ち症全体のなんと8割以上が自動車事故で、追突に見舞われたことが原因です。
認定されるためには「証拠」が必要
自賠責保険では、むち打ち症による後遺障害の等級を12級と14級で定めています。そして、むち打ち症で12級の等級認定を受けるのはそう簡単なことではありません。一部14級にも共通する内容も含まれますが、主にどのようなことが必要なのか、以下にまとめました。
画像上、神経圧迫所見が明確に捉えられる
骨折・脱臼や神経が圧迫されている場合は、それがレントゲンやMRIなどの画像によって捉えられている必要があります。
事故から時間が経ってしまうと、事故との因果関係が否定されたり、癒合して画像に写りづらくなることもあるので、できるだけ早く医療機関へ通院して、レントゲンやMRI等の撮影について医師に相談してみましょう。
また、脱臼については、医師が見落とす場合もありますので、なるべく早期に診断書に「脱臼」と記載してもらいましょう。
各種検査で患部の異常と事故との因果関係が認められる
こちらも医師による検査となります。「ストレステスト」「腱反射」等の検査を行い、症状が認められるかどうか。そしてそれが、事故によるものかを医師に診断してもらうことが有用です。
12級の認定を受けるには患者側の努力が重要です
これまで述べたように、認定を受けるには画像や検査での証明が必要となりますが、気をつけなければいけない非常に重要な点として特に腱反射等の検査は「医師がそこまでやってくれるケースは少ない」ということです。
医師は患者を治療するのが仕事で、事故の証拠を残すということまでは通常考えません。ですから、医師が「そこまでの検査をしなくても治療が可能」だと思えば、治療上の必然性がないので行わなくなります。MRI撮影などについても同様です。
ですので患者側は
- 必要であれば医師に事情を説明し、検査等の依頼
をしましょう。また、最低限の知識を持っている必要があります。
むち打ち症の12級認定は難しい
上述しましたがむち打ち症は一般的に軽視されやすいので、12級認定を受けるのは難しいです。そして、後遺障害に苦しんでいても、正しい等級での認定を受けられていない方がいらっしゃいます。
むち打ち症に限らず、多くの後遺障害の認定を受けるには様々な証拠を揃える必要がありますので、法律のプロに相談することもひとつの選択肢だと思います。
茨城県の法律事務所DUONは法律の専門家として、多くの交通事故被害者の方のお手伝いをさせて頂いております。初回相談料は無料となっておりますので「ちょっと聞いてみたい」という方でも、お気軽にご相談下さい。
次回は、むち打ち症の後遺障害認定 14級についてお話しようと思います。